２０１７年５月７日　復活節第４主日
親子礼拝　「信仰とは　―　目に見えないものに目をそそぐ」ヘブライ人への手紙１１章１～３節

今日の説教題は、信仰の本質を一言で言い表していると言える。信仰生活にあるわたしたちにとって、福音書にはキリスト・イエスのご生涯が記されていて、そのイエス・キリストへの全幅の信頼こそが信仰そのものであると言える。言い換えれば、信頼なしの信仰はあり得ないことである。

　イエス・キリストの御言葉と行動・働きには、そのすべてに見えない神の御心が示されている。つまり、主イエス・キリストにおいて、神の御旨が完全に具現化されたのである。そのご生涯において、主イエス・キリストは信仰とは何かということを、わたしたちに示してくださった。

　では、信仰は、どのような形でわたしたちに示されるのであろうか。それは、旧約で示された預言の成就として、イエス・キリストへの全幅の信頼という、目には見えない形で示される信仰であり、具体的には、福音を信じる信仰である。また、パウロ書簡において示される、神の救いの本質への信仰である。

　「信仰とは、望んでいる事柄を確信し、見えない事実を確認することです」見えない事実を確認するというのは、事物をもって証しすることはできないけれども、わたしたちの肉なる目では見えない神と共に生きておられる主イエス・キリストを信頼して、やがて来られるその主イエス・キリストを待ち望むことである。

　信仰において、天地万物をお創りになった神を知るということは、この世の目に見えるすべての事物が、目には見えない神によって創られたということを知ることである。聖書の言葉を通して、わたしたちは、全能の神の御働きを知ることができるが、しかし、それ以外の方法では、知ることはできないのである。

　福音書に示されているイエス・キリストの言葉と行動において、見えざる神がわたしたちに示されている。そのイエス・キリストの言葉と行動への信仰こそが、わたしたちの行いによるのではなく、わたしたちが救いに与る唯一の方法である。

　神はイエス・キリストを世にお降しになったことによって、わたしたちの「見える形」で、救いをお示しになったと言える。わたしたちにとっては、今は、肉なる目では、世の混乱しか目にすることはできないけれども、信仰の目においては、見えざる神の世界を主イエス・キリストのご生涯において、見ることができる。　

　目に見えないことを確信するためには、生ける神の御言葉を通していしか、わたしたちに、その方法が与えられていない。生ける神は、御言葉によってお創りになった世を、今も支え続けていてくださっている。「信仰によって、わたしたちは、この世界が神の言葉によって創造され、従って見えるものは、目に見えているものからできたのではないことが分かるのです」

　御国への道を主イエス・キリストは、わたしたちに示しそなえてくださっている。神が御子イエス・キリストにおいて、約束してくださっている御国に至ることができるよう、望み、感謝して、主を信じて歩み続けよう。