2016年12月18日 待降節第4主日礼拝
「キリストを待ち望む」 マタイによる福音書1章18〜25節

 クリスマス的な気分をわたしたちに与えてくれている飾りつけや音楽が街にあふれているけれども、本当のクリスマスは、貧しい飼い葉桶に寝かされている幼子イエスを拝み求めなければ、わたしたちにはおとずれない。
 マリアガ身ごもった時、ヨセフはどんなに苦悩したことだろうか。離縁をも考えたけれども、マリアを晒し者にしてしまう事態は避けなければならないと、彼は考えていた。そんな時、主の御使いによって「聖霊によってマリアは身ごもったのだ」と告げられ、ヨセフはそれ受け入れた。普通の人であったヨセフに示された神の御業を、彼は信仰をもって受け入れ、マリアと同じく幼子の誕生を待ちわびた。
 神は、おとめマリアを介して御子キリスト・イエスを誕生させるという独特な方法で、ご自身の御業を示されたが、それは、今も主イエス・キリストによってなし続けられている。
 わたしたちの想像をはるかに超える劣悪な環境の中で誕生された御子イエスが、神の御旨に従って、30余年をこの世で生きられ、ついには人類の罪の贖いのために十字架へと歩まれ、死に打ち勝って復活されて、その神の御業を証しされた。
 その主イエス・キリストのご降誕を喜び祝う使命が、わたしたちに与えられている。そのことが、信仰の伝承と、宣教の働きの第一歩となっている。マリアとヨセフが、主なる神を信じて人生を歩んだように、わたしたちも、信仰の歩みをますます強めてまいりたい。
 キリストのいないクリスマスが世にはびこっている中で、わたしたちには、本当のクリスマスの喜びを人々に伝えていく使命が与えられている。また、それを宣べ伝えること自体が喜びでもある。伝道の結果は、神ご自身が買い取ってくださる。