２０１６年１２月４日
待降節第二主日礼拝
「来るべき方はあなたですか」　イザヤ書９章１～６節
　　　　　　　　　　　マタイによる福音書１１章２～１５節

　冒険者の心を持って主イエス・キリストのご降誕を待ちわびる待降節（ADVENT）。
「この人を見よ」と、主イエスを世に紹介するために、神によって遣わされた最後の預言者バプテスマのヨハネの目には、しかしながら、主イエスの働きが届いてはいなかった。イエスの働きによって、世の中は変わるはずであるが、一向にその気配がない。イエス・キリストが救い主であると信じながらも、世の中を見てみると、どこに救いがあるのかという現実があって、「来るべき方はあなたですか」と尋ねさせたヨハネの心の内には焦燥感が満ちていた。
　世の現実の中にあっても、主を待ち望む。この方のみを信じ貫いていく。真に頼るべき方はどなたなのか、世がどんなに変化していったとしても、わたしたちを導いてくださるのは、どなたなのか。
　世の現状、社会の悲しい出来事の中に生きているわたしたちも、本当に主を信じて救いを待ち望んでもいいのだろうかと、思う時がある。しかし、わたしたちは、神に向かって、キリスト・イエスに向かって、何を頼りに生きていけば良いのかを問う以外に、何も持ってはいない。
　人類の罪を背負って、残忍な世の刑罰を受けられ、死に勝利された神の御業によって甦られた主イエスに向かい、「あなたを信じていいのですね」と問いつつ生きていく以外に、わたしたちの、そしてバプテスマのヨハネの焦燥感を解決する道はない。
　聖書を通して語られる主イエス・キリストの御心によって、その問いかけから「あなたこそ神の子キリストです」と確信し、告白する時としてのアドベントが与えられている。
　イザヤが預言したように、神の国は、イエス・キリストによって、すでに世に来ている。目には見えない神の国は、イエスの業と言葉によって、信じるわたしたちに示されている。
　罪の世に救いの御業を示してくださっているのみならず、わたしたちの罪の一切を負って十字架へと向かわれ、神の愛の御業によって復活された主イエス。キリストを待ち望む、その希望の恵みがわたしたちに与えられている。