2016年10月30日
故人記念礼拝 「信仰を守り抜いて」
       テモテへの手紙4章6〜8節

 使徒パウロは、キリストによって使徒として選び出され、主キリストの福音を宣べ伝えるために走り貫いてきた。キリスト者は信仰の戦いを戦い抜くことにより、勝利に与ることができる。
 アスリートたちが節制し練習を重ねるのは競技のためで、わたしたちキリスト者も節制して、信仰の戦いを貫こうではないか。アスリートたちは、目標とする月桂冠がその向こうにあってこそ走り貫くことができる。一方、キリスト者は、信仰の喜びがあるがこそ、節制して感謝しながら戦い貫くことができる。神からの喜び、日々の生活の上に与えられる喜び。
 しかし、アスリートたちの競争は、他の競技者と比べての競争であるが、キリスト者の戦いは、他者と比べるのではなく、神と自己との関係において自己の内にその目標が存在する。
 「正しい審判者である主が、かの日にそれをわたしに授けてくださるのです」 すべてのキリスト者が、そこに到達するのを確信している。神がすべてを供えてくださっている私自身のこの人生を、感謝の生活をいっぱいに果たして歩んでいく。
 神にとって、ご自身の似姿として土からお創りになった人間が、創造主なる神を知って、御心に従って生きるということが、神の栄誉である。神が土から人をお創りになったということは、人は罪と死に落ちていく危険にさらされた存在であることを内包しているが、一方、神は、人を神と対話できる相手としてお創りになっている。わたしたちは常に罪と死にさらされているが、イエス・キリストが、罪と死との戦いに勝利され、終りの日にわたしたちを永遠の生命へと引き上げてくださる。そこに希望があり喜びがあり、信仰の戦いにおける目標がある。パウロは、すべての人がこの信仰の戦いに参加して、走り貫くことを願っている。