武田晨一（引退牧師）
今日ここに、パイプオルガンの完成を見たことは、誠にくすしき神の御業であり、心から御名を讃美いたします。音を聞いて、これこそ神を讃美する礼拝堂に最も相応しい響きであることを深く思わされました。
パイプオルガンの設置は、私たちの教会にとって、かねてからの夢でありました。この大きな幻を、神は一人のパイプオルガン設置を志す兄弟を起こして実現へと導かれました。その指定献金を契機に、教会員が心を一つにして献げ物をすることによって、今日この日を迎えることができました。
小会では当初、老朽化した会堂･牧師館の改善が先ではないかとの意見もありましたが、最終的には兄弟の志を受け入れることが御旨であろうとの結論に達しました。直ちに研究委員会を組織し、まずパイプオルガンの歴史､構造を､パイプオルガン奏者･堀江光一氏の講演と実地見学､解説によって学びました。さらに京阪神の主なオルガンを見聞きして回り､直輸入･輸入代理店･国産の各購入ルートを検討しました。
１年にわたる研究の結果、機種はヨーロッパの教会で今も力強く高貴な響きを持つ古楽器を目ざして制作している「辻オルガン」に決定しました。それは、演奏家のためでなく礼拝に仕え「主にのみ栄光を帰する」ためのオルガン選定でした。小会はこれを受け、教会員全員にオルガン献金の可否を問い、献金予約を募ったところ、恵みのうちに必要が満たされて発注する運びとなりました。
“２１世紀の伝道は讃美から”と言われます。礼拝における会衆の讃美を力強く支え、神をほめ讃える器として、伝道の大きな力となることを心から祈ります。