灰の水曜日から40日間、今レントの中にあって主イエスの苦しみを思う毎日が続いています。私たちが初めて経験する新型コロナウイルスの痛みと苦しみはこの先まだどれ位続いていくのでしょうか。

ワクチン接種が世界を賑わせている中、日本はやっと80番目に接種できるという。先進国であるわが国がなんでそんな順番なのだろうかとふっと自分勝手な思いが頭をよぎりました。死者数が少ないこと、重症患者が他の国と比べて少ないことなどだそうです。未知の疫病との遭遇は弱者に厳しい試練を課し、先進国と途上国、又富裕層と貧困層との格差を顕わにしてしています。苦境の中にある途上国を置き去りにしたまま、この新型ウイルスを退治することはなかなか困難をきわめることでしょう。自分第一、自国第一の思いをいかに頭の外に追い出すことができるのか。

不要不急の外出をいさめられ、私達は巣ごもりのようにステイホームをしていました。その結果普段よりも自分と向き合う時間が持て、立ち止まって自分の行動を観察できる時を持つことができました。楽しい事とは一体何だろうと思い返した時、それは非常に苦しいことがあって、そこから抜け出した時、つまり本当の楽しみ喜びとなり、それは苦しみと結びついていることではないかと思いました。

昔から夜明け前が一番暗いといわれます。困難に直面した時、そこからどんなに抜け出そうとしても状況が悪くなっていく事があります。これ以上ないといえる程、悪い状況になった時、人はあきらめてしまいがちですが、光はすぐそばまで届いている事が多いのです。夜明け前が一番暗いとは、明けない夜はないという意味でもあります。

ところで今は多くの人達と接触してはいけないといわれ、今までのモラルの真逆の行動をとらなければいけないなど、思いももしなかったことで右往左往してきた一年でした。しかしながら主日礼拝を守ることができ、又動画配信も行われ、西教会以外の人達にも見ていただける機会となったことは大きな収穫だったと思います。

「あなたがたはこの世にあってはなやみがある。しかし勇気を出しなさい。わたしはすでにこの世に勝っている」（ヨハネ16章33節）と言ってくださる主がおられます。

つらい苦しい時、自分の力に頼らず、ひたすら神さまからの慰めを求めて、委ねることができることは、神さまからの賜物だと思います。